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スクール・イン・プログレス2020-21 暮らすこと、つくること、____________のために #04

mamoru / 山本高之 / 白川昌生 / 坂口直也

School-in-Progress 2020-2021 :Living, Making for ______________#04 ― mamoru,Takayuki Yamamoto,Yoshio Shirakawa,Naoya Sakaguchi

日時

  • 2021.01.08(金) 〜 2021.01.25(月) 20:00-21:00

会場

オンライン配信(http://www.school-in-progress.com/)

料金

無料

「スクール・イン・プログレス」は、「living/暮らす」と「making/つくる」という人の根源的な営みをキーワードに、既にあるものや普段の生活・日常を見つめ直し、創造性の在処を見つけ、それを自らの内に育む力を身につけるオルタナティヴなアートの学校です。mamoruと山本高之、ふたりのアーティストを共同ディレクターに迎え、リサーチやフィールドワーク、ワークショップ、ディスカッションといったアーティストの制作プロセスをベースとしたカリキュラムによる実践を通して、感覚をすまし、思考を深め、様々な興味関心を持つ講師や参加者達と出会い、新たな知のきっかけを獲得する機会をひらき、世界を学び直すことを試みています。

これまで実施したスクールでは1週間から10日の合宿形式を基本としていましたが、第4回目となる今回はオンラインにて「振り返ること」をテーマにワークショップやレクチャーをおりまぜた形式で実施します。ただオンラインセミナーを数珠つなぎにしただけではせっかくスクールに集まってくる人達と出会ったりする醍醐味が味わえない・・・そこで「朝食の時間」、「バーの時間」を設けワークショップやレクチャーとは違う雰囲気の時間も設けたいと思っています。2020年以降の世界と向き合いながら_______ために、共に学ぶ機会としたいと思います。

タイムスケジュール|

1月8日(金)20:00-21:00   SiP2020-21ガイダンス

1月9日(土)10:00-16:00  WS01_1  mamoru|聞き振りかえる技術(その1)

1月10日(日)10:00-16:00  WS01_1  mamoru|聞き振りかえる技術(その2)

1月11日(月)〜15日(金)課題

1月16日(土)10:00-11:00  WS01_3  mamoru |聞き振りかえる技術(その3)

                         11:00-16:00  WS02_1  山本高之|1番おもしろい話(その1)

1月17日(日)10:00-16:00  WS03   坂口直也|Show Guyの生涯(自分抽象画)

1月18日(月)〜21日(金)課題

1月22日(金)20:00-21:00  WS02_2  山本高之|1番おもしろい話(その2)

1月23日(土)14:00-16:00   レクチャー 白川昌生|最近考えていること:歴史修正主義について

1月24日(日)14:00-16:00   Open to Public・Round Table

             「4回目のスクールはなんだったのか?振り返る」

             Online Fes!?  出演など:TBA

*以上のスケジュールをよくご覧の上、すべてのプログラムに参加できるようにご自分のスケジュールを調整するようにお願いします。また期間中の平日にもグループ課題などが加わる可能性がありますのでその点もご注意ください。

講座内容|

WS01 mamoru | 聞き知り想像し「振りかえる」技術

スクールに参加する皆さんは当然(!?)スクール・イン・プログレスってどういうところ?なんだろうという興味・関心・疑問(不安?)を持って参加してくれるものだと思います。このワークショップでは過去3回のスクールインプログレスに関わった人達にインタビューすることを通じて自分が経験したわけではない誰かの過去の経験に興味のチャンネルを合わせ、聞きー知りー想像しー経験しーさらにその「経験」をちょっとしたアウトプットにつなげて振り返ってみたいと思います。

WS02 山本高之|人生で1番面白い話(2020 online-ver.)

現在世界中で新型コロナウイルス感染症の蔓延により、様々な活動が制限されています。現在(10月初頭の日本)では「Go toナントカ」で街に人が溢れていますが、諸々の騒動が始まった緊急事態宣言発令以前の暮らしを思い出してみましょう。このワークショップはどこにも「Go to(?)」せずに自室の中で、あなたが生まれてから今年1月の宣言発令前までの人生の中で一番面白かった経験、一番笑った出来事を思い出すところから始まります。

WS03   坂口直也|Show Guyの生涯(自分抽象画)

オルタナティブな記憶の整理の仕方を探る活動を行います。

レクチャー 白川昌生|最近考えていること:歴史修正主義について

来年度丸木美術館で発表予定の作品にまつわる最新のリサーチについてのトークを行います。

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ディレクターズ・ステイトメント|

ちょっと私に付き合ってもらって良いですか? 

あなたはある建物の前に立ち、何かしらの簡易作業をおこなっている工場のようにも見えるが壁に貼られたポスター類を見ておそらくここで確かなのだろうかと思いながら、トタンに木製の取っ手をつけただけの引き戸を開く。中は思ったよりも大きく明るい、天井は想像していた通り高く、剥き出しのコンクリートの床を備えた空間が眼の前に広がる。あぁ明るい、という安堵感とともに、床にたくさん並べられたドラム缶(よりは直径が大きいが)を底向けにひっくり返したようなテーブルとそれを囲む椅子に座った人々をざっと見渡し、見知った顔が居ないことに気づく。「いらっしゃいませー」という威勢の良い、若い声の重なりがあなたの認識を占めていく。声の方を向き、一段あがったようにして大きな厨房があり(鍋や皿や大きなステンレス製のシンクだの業務用冷蔵庫が彼らの背後に見えた)、あなたは一人の若者に目をやり、髪を金に染めていること、おそらく眉も整えていること、大学生に見えること、が脳内をよぎるのを感じつつ、予約したAの一行はどこかと問う。すると、彼は「お2階へどうぞ」と階段の方を指差すと厨房へと立ち戻っていった。 

階段を上がるあなたには大声で歌う集団の声が聞こえる。集団は♪あした〜きみに会〜う〜君に会う〜そーれでーしあ〜わせー♪(あなたは後にこの歌は”踊ってばかりの国”というバンドの”それで幸せ”という歌だと知る)というメローなフレーズを万感の想いを十二分に込めながらメローなテンポで何度も何度も繰り返しうたっている、というより叫んでいる。あっけにとられ、2階のフロアに呆然と立ち尽くすあなた。なんだかまずいところに来たんじゃないか?と詰問するこれ以上無いくらい確かな不安と同じくらいに確かな闇があなたの目の前には広がっている、というわけではないが、間接照明のみを使った古びたラウンジと言ったら少し言い過ぎになってしまう程度の雰囲気の、小さな雑居ビルの1フロアくらいの広さの空間に、幾つものくたびれたソファの連なりが幾つものくたびれたローテーブルを囲み空間全体を区切るように並べられている。壁にはプロジェクターから何やら楽しげな思い出画像が投影されている。その画像に登場してくる人達はいま目の前でこれ以上ないくらいにためらいなくスマホのライトを突き上げ、かざし、ゆらしながら先程のフレーズを、なぜ?そんなにも幸せそうに・・・というか戸惑いはないのですか?ここは焼肉屋の二階ですよ!と怒りに似た疑問をぶつけずにはいられなくさせる空気を全開にしつつ大合唱している。そんな20名ほどの人々の中にマイクをもった二人の男、ひときわ笑い転げている数名の人たちを前にしてあなたはやはり問うのだろう・・・「これは一体何なんですか?」と。

おなじ小説や漫画を原作とする映画や舞台というのがある。これほどまでに違うもんだろうか?という変化球もあれば、出ている俳優が違うだけでただのリメイクのような類似モノもある。私はこの長大な文によってなんとかあなたを2018年_月_日に実際に行われたはずのSchool-in-Progressの打ち上げ会場へと少々大げさにお連れしてみることを試みた。とは言うものの、数年間の時を経て脚色あるいは脱色されただろう私の記憶の中にあるあの場所と時間。そこに居た(はずの)20数名の人たちの経験というのは間違いなく同じ原作をもとにしてはいるが、きっと主人公もテーマも何もかも違う映画のようなものだろう。それに加えて、上の文章を読むことで思い描いただけのあなたの経験(と呼んでも良いなら)にいたってはあなたの想像力と集中力と誤解が生み出す可能性に満ちた世界になってしまったかもしない。なんにせよ何かを振り返るということは可能だろうか?そしてそれはいったい何なんですか?ということ。2020年のSchool-in-Progressはこの際だからずばりこの問いを核におく。

(mamoru)

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2020

2020年、世界中でいろいろなことが起こったし、いろいろなことが起こらなかった。

コロナ・ウィルスの世界的蔓延が起こらず、オリンピックが開催されていたとしたらどんな出来事があっただろうか。たくさんの競技に出るたくさんのアスリートたち。新聞にもSNSにも電車の中吊りにも中華屋のテレビでも連日何らかの情報が流れ続ける。ラジオでもコンビニでも居酒屋でもドンキでも、どこに行っても公式ソングを耳にする(ちょうど鬼滅の刃の歌やドルチェ&ガッバーナの歌のように)。メダリストから何人か新しいスターが生まれ、インタビューの際のコメントは流行語大賞の候補になり、その選手は年末にはCMに出ている。駅の大きなポスターにも、手にしたスナック菓子のパッケージにも、サイトの中のどこかのバナーにも、見ようとした動画の前にも、その選手の顔を繰り返し目にするようになる。でもその頃にはオリンピックの記憶も少しずつ薄れ、次は大阪万博を成功させよう!とアンバサダーのアイドル・グループが歌うテーマソングが流れ始める。

これらのルーティンは私たちに直接関係ないところで企画され実行され続け、私たちの生活空間や頭の中の一定部分を占め続ける。そしてその「共通の」記憶は共通言語となり私たちを繋ぐのだ。

本当に?

こうした出来事が起こらなかった2020年を私たちはすごした。今すぐに私が思い出すのは、mamoDが車の天井に付けるキャリアを買ってきて、それの装着を手伝ったこと。そしてそれがダサいから付けるのやめるという決断を彼がしたことその時テーブルの上にあった炭酸水の入った小さなグラスの周りについた結露した水。私たちは人工的に作り出されたメガイベントの記憶だけでなく、花の匂いや暑い夏の麦茶の味、初めて自転車に乗れた時の感覚のような小さな体験の記憶では繋がることはできない?

2020+1

コロナによって移動できなくなったこの夏の間中、僕とmamoru Dと赤井Pは、熱暴走一歩手前のスマートフォン越しに過去の参加者たちにインタビューを行った。それぞれの視点から語られたスクールの記憶は企画した僕らにとって新しい発見ばかりであった。今回のスクール・イン・プログレスは、これまでのスクールの活動を新しい受講生と共に振り返ることにした。自分が経験していない過去を、他者の証言を元に組み立てていく。アート業界で働くことに関心のある参加者には「アーカイブ」作業のトレーニングとなるだろう。しかしそれ以上に、他者の過去を追体験し想像することで自分を見つめなおす機会ともなるはずである。コロナ禍はいつか終わる。その未来のために、今は体に気をつけて。

(山本高之)

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日時|2021年1月8日(金)〜24日(日)

会場|オンライン開催

対象|アートに興味のある方、若手アーティスト、若手キュレーター、クリティック等

参加要件|zoomでのオンライン講義を受講できるPC及びインターネット等の環境を備えている方。全ての講義に参加できる方。

定員|20名

受講料|無料

申込問合せ先|School-in-Progress実行委員会 (鳥取市瓦町527 ことめや内・090-9546-9894) 

「スクールインプログレス2020+1」を件名に、氏名と連絡先をお書き添えの上E-mail(arts.school.in.progress@gmail.com)までお申し込みください。折り返し申込フォーマット(エクセルまたはPDFファイル)をお送りしますので、必要事項ご記入の上、返送してください。

主催|鳥取大学地域学部附属芸術文化センター

助成|文化庁

企画運営|School-in-Progress実行委員会(鳥取藝住実行委員会+HOSPITALE)

                                               

アーティストプロフィール

portrait of mamoru
mamoru mamoru
サウンド・アーティスト。1977 年大阪生まれ。2016 年ハーグ王立芸術アカデミー/王立音楽院(オランダ)アーティスティック・リサーチ修了。最近作では17世紀オランダで出版された地理本に描かれた「日本」を題材に「あり得た(る)かもしれない」歴史を遠回りに迷い込みながら複数的な世界の姿を跳躍的に想像するパフォーマンス、レクチャー、フィルム、ビデオエッセイ、音楽などの作品群を国内外の美術館、ギャラリー、フェスティバルなど発表している。2014 年より「旅するリサーチ・ラボラトリー」(共同企画監修:下道基行)、「知るのつくりかた」などのプロジェクトのディレクションも行う。
portrait of Takayuki
山本高之 Takayuki Yamamoto
1974年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院修了後渡英、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインMA修了。小学校教諭としての経験から「教育」を中心テーマのひとつとし、子どものワークショップをベースに会話や遊びに潜む創造的な感性を通じて、普段は意識されることのない制度や慣習などの特殊性や、個人と社会の関係性を描く。近年は地域コミュニティと恊働して実施するプロジェクトに多く取り組んでいる。主な展覧会に「Go Betweens展 子どもを通して見る世界」(2014-2015 森美術館ほか)、コチ=ムジリス・ビエンナーレ(インド、2016)、Asian Art Award 2017(寺田倉庫アートスペース、2017)など。近著に『芸術と労働』(共著、白川昌生+杉田淳編、水声社、2018)。
yoshio shirakawa
白川昌生 Yoshio Shirakawa
1948年福岡県北九州市戸畑生まれ。1970年代にフランス、ドイツで哲学と美術を学ぶ。1981年デュッセルドルフ国立美術大学卒業。修士称号を受ける。1983年に帰国後、群馬を拠点に地方性、周縁性、マイナー性を引き受けながら、地域の歴史・文化・経済と直結するプロジェクトや作品制作を行う。また、現代美術史および文化・制度に関する書籍も多数執筆。「あいちトリエンナーレ 2016 - 虹のキャラヴァンサライ」(2016)、「群馬の美術2017─地域社会における現代美術の居場所」(群馬県立近代美術館、2017)、「ミュージアムとの創造的対話 vol.1 – 誰が記憶を所有するのか? Monument/Document」(鳥取県立博物館、2017)、「表現の生態系」(アーツ前橋、2019)など。近年の著書に『美術・神話・総合芸術: 「贈与としての美術」の源へ』(水星文庫、2019)。
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坂口直也 Naoya Sakaguchi
1982年ドイツ、ミュンヘン生まれ。2001年英国KELLEY COLLEGE卒業。2009年東京芸術大学大学院美術研究科壁画第一研究室修了。2007年ゼロダテ/大館展より都市とアートの関係性を再考する取り組みを行うシャッターガイシリーズを発表。2009年より始めた擦れ違い(スレチ街/SURECHI-Guy/すれち害/すれち我意)シリーズの他、Do-ya-Guy,Scaven-Guy,Show-Guy,Show10-Guyなど、その土地土地でのプロジェクトを国内外問わず立ち上げている。2017年一時活動を休止するが2019年再開。現在はメキシコシティのサンタ・マリア・ラ・リベラにて長期滞在制作を行なっている。

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