SiP2015
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スクール・イン・プログレス 2018 「リビング、メイキング___________ために #02」

mamoru / 山本高之 / 白川昌生

School-in-Progress 2018: Living, Making for ___________ #02 ― mamoru,Takayuki Yamamoto,Yoshio Shirakawa

日時

  • 2018.10.05(金) 〜 2018.10.14(日)

会場

旧横田医院ほか(鳥取市栄町403ほか)

料金

本講座は、「living/暮らす」と「making/つくる」という人の営みのもっとも根源的な行為をキーワードに、フィールドワークやワークショップといった実践を通して、体験し、思考を深め、新たな知を獲得するプログラムです。「すべての人が芸術家である」と言ったヨゼフ・ボイスは、人間の営為が社会をつくりあげていることを「アート」として提示しましたが、それは個人個人の営みの中にある創造性によって支えられてこそ可能となるものです。この創造性は、さまざまな未知の経験を乗り越えることで人々が得た洞察力や直感力、想像力といったものの総合として、日常生活のあらゆる場面において発揮されています。

近代のシステムが綻びをみせ、社会が分断と階層化による閉塞感に覆われた状況下で、「自由」の領域を確保し、未来を予見することは困難さを増してきています。けれども「生きることがつねに新しい可能性に満ちているように、思考はつねに新しいポテンシャルに満ちている」というマイケル・ポランニーの言葉にもあるように、刻一刻と流動する世界のなかで、そこに暮らすわたしたちもまた、瞬間毎に出会う物事との相互作用により生成変化し、更新し続ける生と思考のなかに生きている、という事実が、それに抵抗する手がかりとなるのではないでしょうか。世界が語りかけてくるものに注意を払うこと、可能性に投企し、未知を探求していく創造的な態度こそ、アートはもちろん、新しい社会と倫理の展望に欠かすことのできないものとして今まさに必要とされているように思われます。

スクール・イン・プログレスでは、アーティストとともに既にあるものや普段の生活・日常を見つめ直し、創造性の在処を見つけ、それを自らの内に育む力を身につけることを目標としています。2015年の開催に続き、第二回目となる今回のプログラムでは、何かしらの理由で(または理由もなしに)興味を持ったことや、自分の感覚、同様に講師・他の参加者のそれとも向き合い、思考のプロセスを丁寧に辿りながら、様々な角度でその事柄を検討し、辿り着くべき場所への道筋を考え、アプローチすることを試みます。また、それを他者に伝え共有すること、その可能性について考えます。

それぞれの個人が、新しい足場から眺望し、世界と向き合いながら__________ために、共に学ぶ機会としたいと思います。

日時:2018年10月5日(金)〜14日(日)
コア期間:10月5日(金)〜9日(火)、13日(土)〜14日(日)
※コア期間の参加を原則とします。コア期間以外のプログラムは個別のチュートリアルなど、より内容を深めたい方におすすめします。

募集人数:15名(先着順)
対象:アートに興味のある方、若手アーティスト、若手キュレーター、クリティック等
受講形式:フィールドワークやディスカッション、レクチャー、ワークショップなど
受講料:宿泊なし:8,000円(会場間の移動費および教材費)/宿泊付き:30,000円(会場間の移動費、教材費および宿泊施設使用料)
※但し食事代、自宅〜会場間の往復交通費は各自負担

申込方法:「スクールインプログレス2018」を件名に、氏名と連絡先をお書き添えの上、E-mail(arts.school.in.progress@gmail.com)にてお申し込みください。折り返し申込フォーマット(WordまたはPDFファイル)をお送りしますので、必要事項ご記入の上、返送してください。

【タイムスケジュール】

10/5(金)
19:00- Welcome Party ウェルカム・パーティー

10/6(土)
9:00-12:00 Sharing & Discussion 01|想像と現実、自己紹介をかねて
13:00-17:00 Practice 01|mamoru_ _____を知るために:空山フィールドワーク
19:30-22:30 Night Program 01|mamoru & 山本高之_シークレット・スクリーニング01

10/7(日)
9:00-17:00 Practice 02|山本高之_The Funniest Jokes
19:30-22:30 Night Program 01|白川昌生_シークレット・スクリーニング02

10/8(月・祝)
13:00-15:00 Lecture 01|白川昌生_今興味のあることについて
15:00-17:00 Sharing & Discussion 02|前半まとめ・課題発表
19:30-22:30 Night Program 02|mamoru, 山本高之 & 白川昌生_ラジオの時間

10/9(火)
9:00-17:00 Practice 03|山本高之_PR(Public Relational)についてのリサーチ・バス・ツアー
19:30-22:30 Art Salon 01|赤井あずみ_アートサロンのつくりかた

10/10(水)
9:00-12:00 Workshop 01|mamoru_呼吸のワークショップ
13:00-17:00 Private Tutorial|mamoru & 山本高之_チュートリアル・フィールドワーク
19:30-22:30 Art Salon 02|白川昌生_夜学:芸術と労働

10/11(木)
9:00-12:00 Workshop 02|mamoru_ストレッチのワークショップ
13:00-17:00 Workshop 03|mamoru & 山本高之_フェスの実験(湖山池ベース)
19:30-22:30 Art Salon 03|Camp fire キャンプファイヤー

10/12(金)
9:00-12:00 Workshop 01&02|mamoru_呼吸とストレッチのワークショップ
13:00-17:00 Private Tutorial|mamoru & 山本高之_チュートリアル・フィールドワーク
19:30-22:30 Art Salon 04|Guest Talk_フライデー・ナイト

10/13(土)
9:00-12:00 Presentation & Sharing|課題のプレゼンテーション
13:00-17:00 Session 01|「Living/暮らす」についてのディスカッション
19:30-22:30 Session 02|「Making/つくる」についてのディスカッション

10/14(日)
9:00-12:00 Preparation|発表会準備
13:00-15:00 Public Program|受講者による発表会
15:00-17:00 Round Table|ラウンド・テーブル
18:00- Closing Party|クロージング・パーティー

【プログラム内容】

Practice 01|想像と現実、自己紹介をかねて
ちょっとしたゲームを通じて想像力を言語化しつつ自己紹介もやってしまえたらと思います。

Practice 02|mamoru 「__を知るために」
例えば、古今東西、詩的にまたは神話的に扱われることもある風は、実のところ天体レベルで地球規模の話だったりするし、歴史を動かしたこともある。そんな壮大なテーマかつ身近な存在・現象でもある風を知るために、文献を漁り、専門家に話を聞き、ヨットに乗り、パラグライダーで飛び、サーフィンしながら・・。これまで鳥取でも断続的にフィールドワークを続けていますが、今回も風観察をしたり、風を知る人の話を聞いてみたいと思います。ひょっとすると訪れるかもしれない、他の興味との意外で飛躍した接続や直感を期待しつつ。(0911)

Practice 03|山本高之 「The Funniest Jokes」
今までで一番面白かったことってどんなことですか? ここでは私たちそれぞれの「面白いと思うこと」について掘り下げていきます。

Practice 04|山本高之 「PR(Public Relations)についてのリサーチ・バス・ツアー」
PR=Public Relationsとは、元来企業や官庁などの組織体が、その活動や商品などを広く知らせ、多くの人(Public)の理解を高めるために行う宣伝広告活動のことを言います。それらの主体は、僕ら公衆とどのような関係を望んでいるのでしょうか。前回の講座から約3年ぶりに人形峠環境技術センターを訪問します。センターの古い看板には、展示スペースのことが「教育館」と記載されていたことを覚えています。今回は何を学ぶことができるでしょうか。

Night Program 01|mamoru, 山本高之, 白川昌生 「シークレット・スクリーニング」
講師が選んだ映像、自作(他作?)の上映会。あたかも動画のプレイリストを参加者とシェアする感覚でアーティスティック・リサーチや制作の実例を交えつつディスカッションしたいと思います。

Night Program 02|mamoru, 山本高之, 白川昌生「ラジオの時間」
「アートとは何か」を追求し続ける講師陣がラジオパーソナリティとなり、夜更かしトーク。制作のこと、生活のこと、政治のことなどなど、表現者たちが今何を見て何を感じ、未来に何を投げようとしているのか、生の声をお届けします。

Workshop 01|mamoru 「呼吸のワークショップ」
むかしむかしボイストレーニングの授業で習ったとある呼吸法。気がつけばもう20年は続けている。今では一息いれれば体調がわかる(と思っている)。メディテーションの効果については諸研究あるのでそれらを参考に。まさにfor living? 

Workshop 02|mamoru 「ストレッチのワークショップ」
私は基本的に旅生活でパフォーマンスする事もあったりで体のメンテナンスには人一倍気を使う。身体表現者の友人の推薦するストレッチを(YouTubeで覚えて)やっていると、行く先々で「なにそれ?」と聞かれ、時々流れで教えたりする。割と好評。今回も聞かれるだろうと思い、講座にしてみます。何よりも朝から気持ちよく動くために。

Workshop 03|フェスの実験
合宿後半へ差し掛かるこのタイミング。湖山池でチルアウト。

Private Tutorial & Fieldwork|mamoru & 山本高之「プライヴェート・チュートリアル/フィールドワーク」
濃密な前半で何かがきっと動き出す(と良いよね)。それぞれにきっと課題を見つけているだろう(か?)。鳥取に来たらあそこに行かないと、そんなことやあんなことを想定しているうちに、講座とは違う少し自由な時間も必要かもしれない、場合によっては助けが必要なこともあるだろう、と思い始めた。参加者や(講師陣の!?) 興味がさらに掘り下げられ in Progressしていくために。

Art Salon 01~04|アート・サロン
文学・芸術・学問・風俗もろもろジャンルを問わず、毎晩異なるトピックで、自由に談話を楽しむ夜の文化活動の時間です。


【ディレクターズ・ステイトメント】

「何されてるんですか?」と質問されて、スパッと答えられることも、よもや理解されることなんてほぼない。アーティストなんです、というと絵かきか歌手ということになる。いやそうではなくて・・・と実際にやっていることを言うと、やや戸惑った感じで「はぁ」か「へぇ」が関の山。もどかしい。この前なんて、整備不良で警察にとめられパトカーの中で「ご職業は?」と聞かれた。「個人事業主です」「業種は?」「アート・・・現代アート?」「いや、そういうのじゃ書けないんで」「え?書けない?あ・・・映像とか作りますけど」「じゃあ映像制作業って書いときます」となる。そうなの?俺のやってること映像制作業なの?そんなコンテクストを理解していただければ、先日思い切って言ってみたこの言葉も紹介のしがいがあるかもしれません。「mamoruくんってアーティストなんでしょ?普段なにやってるの?」「そうですね~、ただ生きてるっていう時間が結構ありますよ」「言ってみたいわそんなセリフ!」「そう言ってくれると(え、この人・・・通じた?)なんか嬉しいな。」あなたは普段何されてるんですか?

mamoru

今僕らが思いつくおよそ全ての出来事を、世界のどこかで今まさに実際に経験している人がいると想像してみよう。

周囲のやり方を真似てみたり、自分のこだわりを通してみたり、他からの評価に目配せしたり、目の前の状況を乗り切ることに集中していたり、あるいはもうすぐ寝そうだったり。それぞれが何かを感じ、考え、行動している。目の前でおきた理不尽な出来事に我を忘れて立ち向かう瞬間なのかもしれないし、結果が悪くて隠していたはずのテストの答案用紙をなぜか家の机の上に出しっぱなしあることに友達の家でゲームをしている時に思い出した子がいるかもしれない。

今現在、世界中に暮らしている全員が、それぞれの方法で自分の周りの世界と向き合っている。

あなたも私もこれまでそのようにしてこれまで生きてきたし、今現在も生きている。私たちは世界中の全員に出会うことはできないが、可能な限り彼らの営みを想像することを止めてはいけない。

さて、今回のスクールは、そんな私たちの「これまで」を持ち寄って、数日間「今」を共有する中で新しい物語を始めるきっかけとするべくプログラムを組んでいます。私自身もみなさんとお会いできることを楽しみにしています。

山本高之


主催|鳥取大学地域学部附属芸術文化センター
企画運営|School in Progress実行委員会(鳥取藝住実行委員会+HOSPITALE)
申込・問合せ先|School in Progress実行委員会 (鳥取市瓦町527 ことめや内) school.in.progress@gmail.com

平成30年度文化庁 大学における文化芸術推進事業
地域資源を顕在化させるアートマネジメント人材育成事業

 

 

講師プロフィール

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mamoru mamoru
1977 年大阪生まれ。2016 年ハーグ王立芸術アカデミー/王立音楽院(オランダ)アーティスティック・リサーチ修了。様々なリサーチ手法と想像力によって過去、現在、未来/架空䛾音風景を書き起こし、「あり得た(る)歴史」などを題材にした作品を制作。また身近な物や行為から生まれる微かな音をとりあげた「日常のための練習曲」など、「聴くこと」から世界を知る方法を探求。レクチャー・パフォーマンス、映像、テキスト、サウンド作品を国内外の美術館・ギャラリーで発表。2014 年より「旅するリサーチ・ラボラトリー」(共同企画監修:下道基行)、「知るのつくりかた」などのプロジェクトのディレクションも行う。
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山本高之 Takayuki Yamamoto
1974年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院修了後渡英、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインMA修了。小学校教諭としての経験から「教育」を中心テーマのひとつとし、子どものワークショップをベースに会話や遊びに潜む創造的な感性を通じて、普段は意識されることのない制度や慣習などの特殊性や、個人と社会の関係性を描く。近年は地域コミュニティと恊働して実施するプロジェクトに多く取り組んでいる。主な展覧会に「Go Betweens展 子どもを通して見る世界」(2014-2015 森美術館ほか)、コチ=ムジリス・ビエンナーレ(インド、2016)、Asian Art Award 2017(寺田倉庫アートスペース、2017)など。近著に『芸術と労働』(共著、白川昌生+杉田淳編、水声社、2018)。
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白川昌生 Yoshio Shirakawa
1948年福岡県北九州市戸畑生まれ。1970年代にフランス、ドイツで哲学と美術を学ぶ。1981年デュッセルドルフ国立美術大学卒業。修士称号を受ける。1983年に帰国後、群馬を拠点に活動する。近年の主な展覧会として、個展「- 消された記憶 - 長崎/群馬」(コンセプトスペース.、2018)、個展「Coyote」(2017年/ Maki Fine Arts)、「群馬の美術2017─地域社会における現代美術の居場所」(群馬県立近代美術館、2017)、「ミュージアムとの創造的対話 vol.1 – 誰が記憶を所有するのか? Monument/Document」(鳥取県立博物館、2017)、「あいちトリエンナーレ 2016 - 虹のキャラヴァンサライ」(2016)、個展「資本空間 -スリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.7 白川昌生」(gallery αM、2016)、「引込線2015」(旧所沢市立第2学校給食センター、2015)、個展「ダダ、ダダ、ダ 地域に生きる想像☆の力」(アーツ前橋、2014)など。

Albumアルバム

Diaryダイアリー