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スクール・イン・プログレス2019|リビング、メイキング、_______のために#03

/ 山本高之 / 白川昌生 / 井口和泉 / 安田 葉

School-in-Progress 2019|Living, Making for__________#03 ― mamoru,Takayuki Yamamoto,Yoshio Shirakawa,Izumi Iguchi,Yo Yasuda

日時

  • 2019.08.09(金) 〜 2019.08.18(日) 19:00-22:00

会場

旧横田医院ほか(鳥取市栄町403)

料金

無料 但し、下記の費用については実費負担あり[宿泊付:35000円(外部講師による講座受講料、会場費、昼食・夕食代含む)/宿泊なし20000円]

「スクール・イン・プログレス」は、「living/暮らす」と「making/つくる」という人の根源的な営みをキーワードに、既にあるものや普段の生活・日常を見つめ直し、創造性の在処を見つけ、それを自らの内に育む力を身につけるオルタナティヴなアートの学校です。mamoruと山本高之、ふたりのアーティストを共同ディレクターに迎え、リサーチやフィールドワーク、ワークショップ、ディスカッションといったアーティストの制作プロセスをベースとした実践的なカリキュラムを通じ、感覚をすまし、思考を深めることで世界を学び直すことを試みます。
第3回目となる今回は、最も身近でありながら最も未知な存在である「身体」に着目したプログラムを実施します。身体とは、決して肉体/bodyだけではなく、意識が宿る場であり、技術や記憶が蓄積し、快/不快を感じ喜怒哀楽が生じる生命、そして精神を含んだ存在です。こうした身体の機構の複雑な働きにより、インスピレーションを得たり、芸術作品を含めさまざまなものを生み出すことが可能となります。高度情報化社会が加速度的に進行し、システムに取り込まれ、イメージやデータが溢れる現実を生きるわたしたちは、どこか身体や感覚を置き去りにし、硬直化させてしまっているようにも思われます。このプログラムでは、さまざまなアプローチにより「身体にdive-in(ダイヴ・イン/飛び込み)」することで、見過ごし忘れ去っていたものに触れ、「知覚しなおすこと」を図ります。そして、その経験によって把握した世界とやりとりしながら何かを作り出してみるー再び世界へとdive-out(ダイヴ・アウト/飛び出す)してみたいと思います。

新たな知覚を持ち、認識を得たそれぞれの個人が、新しい足場から眺望し、世界と向き合いながら__________ために、共に学ぶ機会となることを期待しています。

 

【タイムスケジュール】
8/9(金)
19:00-21:00|Welcome Party|ウェルカム・パーティー

8/10(土)
9:00-12:00|Orientation|自己紹介、講座紹介
13:00-17:00| Program 01_Research|リサーチの時間
19:30-22:30|Program 02_Lecture|「身体」を考えるための時間

8/11(日)
9:00-12:00|Program 02_Practice|身体についてのプラクティス 01「古武術してみる。」
13:00-17:00|Program 01_Lecture & Workshop|リサーチ/レクチャーの時間「総合芸術と宗教」
19:30-22:30|Night Program_Talk & Discussion|Art Bar 01

8/12(月・祝)
9:00-16:00|Program 01_Fieldworkリサーチ/フィールドワークの時間
18:00-22:30|Program 02_Workshop|身体についてのプラクティス 02「からだをつかいこなす。」

8/13(火)
9:00-12:00|Program 01_Discussion|フィールドワークの振り返り
12:00-17:00|Program 02_Practice|身体についてのプラクティス03-1「海に行く。(前編)」
19:30-22:30|Night Program_Talk & Discussion|Art Bar 02

8/14(水)
9:00-12:00|Program 02_Practice|身体についてのプラクティス03-2「海に行く。(後編)」
13:00-17:00|Program 03_Workshop|映像に関するプラクティス01
19:30-22:30|Night Program_Talk & Discussion|Art Bar 03

8/15(木)
9:00-17:00|Program 03_Workshop|映像に関するプラクティス02「過去の出来事を具体的に想像し、未来を想う。身体を通して。(1日目)」
19:30-22:30|Night Program_Talk & Discussion|Art Bar 04
屋上テラスで納涼!花火大会

8/16(金)
9:00-17:00|Program 03_Workshop|映像に関するプラクティス02「過去の出来事を具体的に想像し、未来を想う。身体を通して。(2日目)」
19:30-22:30|Program 03_Workshop|映像編集

8/17(土)
9:00-12:00|Program 04_Workshop|プレゼンテーション+撮影+編集作業
13:00-17:00|Program 03_Workshop|映像編集

8/18(日)
9:00-17:00|Program 04_Workshop|フェス!(の練習) 準備編
18:00-22:00|Program04_Music festival|フェス!(の練習)本番編&映像上映会

【各講座の詳細】
Program 01|リサーチの時間
まんが博からまんが王国へ −王国での作法−
東北の震災からしばらく経ちました。僕らの周りの社会はそれ以前と比較してどんな感じになったんだろう。ここでは、震災後まもなく鳥取で開催された「まんが博」についてみんなで調べてみます。そこで起こっていたことは今の社会と関係しているのか、いないのか。このスクールを通して身体と向き合う中で、その外側を意識する事が出来れば。集まったメンバー全員のスキルやアイデアを持ち寄ってリサーチ・ハイを体験しよう!当然、筋書きはない。(山本高之、mamoru)

宗教と総合芸術
岡本天明、金井南龍など赤城山に関係していた人たちの行動、作品などをシュタイナーやボイスなどと比較しながら神懸かりと創造性の関係性についてお話します。
特別講師:白川昌生

Program 02|「身体」を考えるための時間
インスピレーションやアイデアを受け取り思いつくのはまぎれもなく身体(のどこか?)なのだから、と思うと実は「考える」とか「発想する」とかということとも密接な関係があるのは当然と考えるまでもなく、いや考えが及ばないほどに「身体」はかなり複雑な諸要素の連係で成り立っていると思う、と興味は尽きない。(mamoru)

身体についてのプラクティス 01|古武術してみる。
西洋的な世界観が輸入される以前の身体感に触れる。世界を認識する器としての自分の体をいろんな角度から知るきっかけに? 皆で古武術(おそらく初)体験!
特別講師:光圓流師範 能見一範

身体についてのプラクティス 02|からだをつかいこなす。
食べることを通じて「からだを使いこなす」ことを体験してみます。重心、呼吸、ゆるめたり、力を入れたり。からだのどこに意識を置くか。変化を毎日記録しましょう。また採集した植物からヨーグルトやシードルをつくってみます。
特別講師:井口和泉

身体についてのプラクティス 03 |海に行く。
これまでスクールでは砂丘でパラグライダー、湖山池でヨット、日本海でサーフィンをやったりしました。今回は海へ再び。常に動いている海、知れば知るほど複雑なパラメーターがからみあって生まれる波。その波にのってみる。ワクワクしますよね。前日はストレッチしたり、イメトレしたり、陸トレしたり、経験を深める準備もやりますよ!
*ただし自然相手なのでいろいろと変更の可能性があります。(mamoru)
協力:Kealani SURF(ケアラニサーフ)

Program 03|映像の時間
映像に関するプラクティス01|心象の盆景
私はこれまで各地で滞在しながら、そこに暮らす人々の話を聞き、そこで得た気付きを元に作品を作ってきました。私の作品は個人的な体験を閉じ込めたちいさな世界です。それはまるで各地方の植物を使った小さな盆景のようだと思います。日本で古くから親しまれてきた盆景、鉢山、盆栽をヒントに、要らない陶器、身近な雑草、身近な素材を使い心象風景を形にする作業をしてみます。(安田葉)

映像に関するプラクティス02|過去の出来事を具体的に想像し、未来を想う。身体を通して。
ここまでの「授業」を通して得た知見や体験を踏まえて、今から始まる「未来」とそこに向き合う自らの身体との関係を考え、映像をみんなで作ってみます。それぞれの映像は、ありえるかもしれない未来の可能性を示すことになるでしょう。(山本高之)

Program 04|フェス!(の練習)
スクール最終盤に振り返りの場として、参加者全員で作り上げる手作りのイベントとして、はたまた熱い夏を名残惜しむ場として!?湖山池の畔で気持ちよくチルアウト。(mamoru)
楽しんだもん勝ち。(山本高之)
協力:湖山池ベース、喫茶ミラクル、スペシャルゲストたち

 

【ディレクターズ・ステイトメント】
スクール・イン・プログレスは今回で第3回。ところで何のスクール?がイン鳥取で?プログレスしているのだろう?なんてことは気にせずに、あなたが受け取った何かしらをきっかけにして「興味」を持ったら来てほしい。「興味」なんてものはある程度解説や分析がままなっても結局の所は説明がつかない。それって面白くないですか?人と場合によって、あれこれと散漫に興味を持つ場合もあるだろうし、まっしぐらにまたはダラダラとはたまた計画的にという意味で「あらゆる方法」を尽くして追求することもある。私はそういう時間を楽しみ、不思議な責任感を感じ、何もかも忘れることも時々ある。そんな可能性をインスピレーションと呼び運命と思うことで神秘的な力が生まれるならそれもありだが、それは同時に偶然や成り行きみたいな日常の中で限りなく反射的におこることじゃないか、なんて思いつつ、いずれにせよ稀有に思えるこの「興味」というやつとの出会いに備えて、何をどういう風に準備することができるだろう、と考えている。
mamoru

「外に目を向けず、すっと内側を向いてお互いを甘やかし合っているうちに、どんどん国はダメになっていったんだけれども、俺だって色々成し遂げたことだってあるし、今だって自分の経験と趣味をいかした企画を準備している。それなりに楽しい人生だったからまあよしとしよう。最後の終身雇用世代として、定年まではのんびりと過ごしていきたいものだ。職場には真面目で素直な若い世代も入ってきているし、時間のあるときに俺の若い頃の話でもしてやることにしよう。定年したらカメラを持ってゆっくり海外旅行など行ければいい。」 私の目の前の装置の上に横たわる50代後半の頭髪も薄くなったくせ毛の男性、工藤氏(仮名)は月に一度、この整体院に施術を受けに来る。今日もいつもと同じように15分ほどのマッサージの間に眠ってしまった。私は手早くベッドの横から出ているベルトでしっかりと彼の体を固定し、モニターで時間と行き先を確認する。 「1957/11/03 – Syr Darya(シルダリア河畔)」 レバーを両手で引くと、彼の体は一閃光とともに消え、代わりに大きな耳の雌犬がベッドの上に現れた。成功だ。私はもちろん、彼女にライカと名付けた。
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サイエンス・フィクションで語られる物語には、現実が反映されていることがしばしばあります。今書いた物語が実際何を反映しているのかはわかりませんが、今回私は、震災以後に鳥取で開催された「まんが博」というイベントについてのリサーチと、SF映像をみんなで作るワークショップをやる予定です。作り話と事実、どっちを信じるか。信じると、いいのか?
山本高之

School-in-Progress 2019|Living, Making for___________#03

日時:2019年8月9日(金)〜18日(日)※時間は各日程による
会場:旧横田医院(鳥取市栄町403)、ことめや(鳥取市瓦町527)ほか
募集人数:15名
受講申込受付:6月20日(木)〜8月2日(金)
対象:アートに興味のある方、若手アーティスト、若手キュレーター、クリティック等
※フィールドワークやディスカッション、ワークショップなど、アーティストとともに行動・実践するプログラムです。作品が生まれるまでのプロセスや、それを支えるコンセプト、ものの見方といった、普段はめったに見たり聞いたりすることのできない「創造のひみつ」に迫るまたとないチャンスです。滞在しながら日頃の疑問を共有したり、思考を深めたり……とじっくりアート/アーティストと向き合いたい方におすすめします。特別なアートや美術史等の知識は必要ありませんが、何事も興味を持つ好奇心と行動力・エネルギーのある方、アートに心から感動した経験のある方のご応募をお待ちしています。 
※原則として全日程に参加できることを条件とします。部分参加については個別に相談に応じますので、お問い合わせください。

参加費:宿泊付35,000円/宿泊なし20,000円(昼食・夕食代・外部講師による講座体験料・会場費の実費分)
※会場間の移動費等については実費負担がある場合があります

申込問合せ先:School-in-Progress実行委員会 (鳥取市瓦町527 ことめや内)
※「スクールインプログレス2019」を件名に、氏名と連絡先をお書き添えの上E-mail(arts.school.in.progress@gmail.com)までお申し込みください。折り返し申込フォーマット(WordまたはPDFファイル)をお送りしますので、必要事項ご記入の上、返送してください。

主催|鳥取大学地域学部附属芸術文化センター
協力|Kealani SURF(ケアラニサーフ)、光圓流武術教室、湖山池ベース、喫茶ミラクル
助成|文化庁(2019年度大学における文化芸術推進事業採択「地域資源を顕在化させるアートマネジメント人材育成事業」)
企画運営|School-in-Progress実行委員会(鳥取藝住実行委員会+HOSPITALE)

※昨年度実施したSchool-in-Progress2018の様子は下記リンクからご覧いただけます。
http://hospitale-tottori.org/programs/school-in-progress/

 

講師プロフィール

mamoru
1977 年大阪生まれ。2016 年ハーグ王立芸術アカデミー/王立音楽院(オランダ)マスター・アーティスティック・リサーチ修了。最近作では17世紀オランダで出版された地理本に描かれた「日本」を題材に「あり得た(る)かもしれない」歴史を遠回りに迷い込みながら複数的な世界の姿を跳躍的に想像するパフォーマンス、レクチャー、フィルム、ビデオエッセイ、音楽などの作品群を国内外の美術館、ギャラリー、フェスティバルなど発表している。2014 年より「旅するリサーチ・ラボラトリー」(共同企画監修:下道基行)、「知るのつくりかた」などのプロジェクトのディレクションも行う。
山本高之 Takayuki Yamamoto
1974年愛知県生まれ。愛知教育大学大学院修了後渡英、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインMA修了。小学校教諭としての経験から「教育」を中心テーマのひとつとし、子どものワークショップをベースに会話や遊びに潜む創造的な感性を通じて、普段は意識されることのない制度や慣習などの特殊性や、個人と社会の関係性を描く。近年は地域コミュニティと恊働して実施するプロジェクトに多く取り組んでいる。主な展覧会に「Go Betweens展 子どもを通して見る世界」(2014-2015 森美術館ほか)、コチ=ムジリス・ビエンナーレ(インド、2016)、Asian Art Award 2017(寺田倉庫アートスペース、2017)など。近著に『芸術と労働』(共著、白川昌生+杉田淳編、水声社、2018)。
白川昌生 Yoshio Shirakawa
1948年福岡県北九州市戸畑生まれ。1970年代にフランス、ドイツで哲学と美術を学ぶ。1981年デュッセルドルフ国立美術大学卒業。修士称号を受ける。1983年に帰国後、群馬を拠点に活動する。近年の主な展覧会として、個展「- 消された記憶 - 長崎/群馬」(コンセプトスペース、2018)、個展「Coyote」(Maki Fine Arts、2017)、「群馬の美術2017─地域社会における現代美術の居場所」(群馬県立近代美術館、2017)、「ミュージアムとの創造的対話 vol.1 – 誰が記憶を所有するのか? Monument/Document」(鳥取県立博物館、2017)、「あいちトリエンナーレ 2016 - 虹のキャラヴァンサライ」(2016)、個展「資本空間 -スリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.7 白川昌生」(gallery αM、2016)など。
井口和泉 Izumi Iguchi
代官山イル・プルー・シュル・ラ・セーヌでフランス菓子、料理を学ぶ。同校、ル・コルドン・ブルー東京校、フランス国立製菓学校イッサンジョー校にてデイプロム取得。摘み草、ハーブや野菜を用いた料理、四季折々の保存食と酵素作りなどの料理教室、噛むことで変わる心身の変化を感じるワークショップや講義、生産者と共催しての料理会など多岐に渡り全国で「おいしい」にかかわる。土地と食卓と人をむすぶレシピをつくる。2015年2月「料理家ハンターガール奮戦記 ジビエの美味しさを知らないあなたへ 」(朝日新聞出版)を上梓。
安田 葉 Yo Yasuda
チューター|2014年 東京芸術大学美術研究科修了。生まれ育った神奈川県海老名市を拠点に、これまで県内や北海道、長崎、秋田などを舞台に立体、絵画、写真、映像などの作品を発表。生物の営みや、古くから続く人の歴史や異なる文化の出会いと交流などの事柄に強く関心を持ちながら、各地で出会う人や出来事に着想を得て作品を製作している。 https://yo-yo-yasuda.tumblr.com/

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