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School in Progress 2018が終わってからしばらくの時間が経とうとしている。このプログラムを振り返ることはとてもむずかしいという気がする、なぜなら終わったというのは合宿期間のような濃密な時間に区切りがついたという意味であり、そのために事前に計画していたことや、そこで起こったこと、そしてその後に思うことなどの全てはやはりin Progressの過程にあってまた次のチャプターへとすべりだして行くから。

『こんな日程でいったい来れる人がいるんだろうか・・・!?と思いつつ、それでも来たい、来れる人達がきっといる、いるならそんな人達と時間をかけて一緒にあれこれやってみたい、考えてみたいと思いつつ、アーティストの山本高之さん、ホスピテイル・プロジェクト/鳥取県立博物館のキュレーターの赤井あずみさんと共同ではじめたスクール・イン・プログレス(SiP)またやりままます。今回もゲストとして全方位的な興味から生まれる多様な実践と著述で大リスペクトのアーティスト白川昌生さんが来てくださいます。いまからお話が楽しみです。僕も自分の取り組んできたあれこれをシェアしたいと思ってますが、いま台湾東海岸にて展開中のリサーチの事や、できれば新作も!?見せられたら。。。あ、あとは呼吸とかストレッチとかそういう芸歴に匹敵する!?旅人としてのメンテナンス法も、いつも行く先々で伝授する機会多いので、今回はオフィシャルプログラムに組み込んどきました。w すでに複数名参加申し込みされていますがまだまだ受付中です!ご参加お待ちしてます!』

個人的に今回のプログラムを案内したさいの一文や担当するプログラムの一つ一つのテキストを書き連ねながら、私は計画されたそれらの幾らか以上が確実に変化することを知っていることがおかしく、またその難しさを味わうだろう約10日間の時間への心構えだけを用意していた。

日々起こった事の熱量は画像で感じられるかもしれない。敢えてこのテキストで触れようと思うのは、当然だけれど最も予測不能な参加者について。こればかりは計画することはできず、想像はしても、集まってみるといつも想像を超える。Schoolとしては2回目の試みに来てくれた参加者たち15人。実は「コアな参加者」であるスタッフも含めると20名程度の集まり。それぞれの参加者には全参加者、部分参加者を問わず縁故地縁も含めたそれぞれ動機があり、興味があり、決断や不安があったと思う。

最初のプログラムである「想像と現実、自己紹介をかねて」という自己紹介を兼ねたゲームのようなものをやりながら、参加者達の興味関心を聞き、想像しながら、私はその場に生まれくる小さなSchoolのキャラクターを捉えリアルタイムに改良しつづける時間を開始させた。

参加者達は、講師陣の興味関心事に基づくプレゼンテーションやワークショップ、ツアーなどに巻き込まれたり、そこで誘発された興味のかけらに動かされ、提示された課題のようなものに知らぬ間に自ら嬉々として取り組むことになる。これまでの自分の経験や興味について向き合い、Schoolメイトに伝えるべく言語化し、それらを開くために脚本にし、カメラを回し、編集しプレゼンテーションに取り組んだ。

彼ら-参加者-はこのSchoolに巻き込まれた人たちではあるのだが、成果発表である「オープン・スクール」を任されていく過程で、私達「仕掛け人」と同じ程度かそれ以上に偶然にも集まった人たち〜小さな社会〜とその良いところも悪いところをも相手にしながら、何かしらの成果をあげようとしていた。仕掛けた側は責任をもってそれを眺め、必要な局面を見極めながらサポートしたつもりだ。

スクールの成果発表に先立って行われた個別の面談は仕掛けた側にとっても緊張と感動の一コマ。この瞬間に10日間で何がin Progressしたのかが顕にされるから。

「いいんじゃない」または「そうだね〜。ちょっとこういう事を考えてみたらどうかな?」

この2つの言葉の間に生まれ得る全ての可能性を駆使して私達は参加者がラストスパートへと向かうためのゴーサインを探す。

そこで展開された全ては作品ではないし、Schoolのエッセンスが詰まったプレゼンテーションというよりは10日間の何かしらを受けて、自分自身の持っている技術、興味・関心、短い時間が乱反射しながら生まれたもので、参加者達のその先につながっていく予想外な一歩を踏み出すものだったと思う。そこには不思議なみずみずしさや清々しさがあって私達仕掛けた側のみならず、何の予備知識もなく訪れた人たちも妙な好感を持ったのではないだろうか。

私にとって嬉しい誤算があったことをひとつ書き添えておきたい。私は最後のラウンドテーブル中に参加者も企画者もお互いへのメッセージやコメントをするためのキャッチボールをもじったやや気恥ずかしい仕組みを考え新聞紙でグローブを作っていたのだが、参加者のひとりがオープン・スクールのために用意した内容にその要素が含まれている様に感じ、自分の仕事がすでに完了していたことを知った。気恥ずかしい仕掛けはやめ、ただただとても嬉しい気持ちでキャッチボールをやった。新聞紙で作ったグローブの出来が意外にも良かったこともあって、私は盛り上がった気持ちまま、忙しい時間を割いて仕事を都合して参加してくれた大先輩のアーティスト白川さんへメールを送った。

「白川さん、

木馬祭りは一段落でしょうか?こちらも昨日スクールを無事に閉幕いたしました。

今回も来てくださり、あれこれとシェアしてくださり本当にありがとうございました。

スクールとしては最後にオープンキャンパスと称して受講生達がそれぞれに考えた「出し物」が繰り広げられ、内容はともかく、10日間の経験をきっかけに何かしら変わろうとしていたり、興味を模索する様子が伺えてよかったです。白川さんの興味の拡張と深化、レクチャーやサーフィンなどの場面でおおいに受講生が感化されたことと思います。

打ち上げは、会場の向かいにある韓国料理屋でやったのですが、最後は謎の大合唱で新たな可能性を感じつつのエンディングでした。笑。

今後ともスクールインプログレスよろしくおねがいします!!!

そしてサーフィンに引き続きチャレンジされる際は全力でサポートします!!!

ひとまずはご報告とお礼まで」

mamoru

School in Progress 共同ディレクター