Lecture Series / Public Talk

ヨーロッパから東南アジアへ この時代の芸術とはなにか?多民族社会と言われるマレーシアで考えていること

金井美樹

From Europe to Southeast Asia -What is the art of our time? On what I am thinking about in Malaysia, which is considered a multi-ethnic country ― Miki Kanai

日時

  • 2024.01.20(土) 〜 2024.01.20(土) 14:00-16:00

会場

旧横田医院(鳥取市栄町403)

料金

無料

ベルリンを拠点に活動してきたアート・ジャーナリスト 金井美樹は、2012年のHOSPITALEの立ち上げ以来、4度に渡ってヨーロッパのアートシーンを伝えてきました。2023年のマレーシアへの移住を機に、西欧中心のアートの世界を離れ、自身の母国である日本、そしてアジアの視点から、改めて現代のアートや表現について考えたことについてお話しいただきます。
***
(金井美樹によるテキスト)
2023年、長年暮らし、活動してきたドイツのベルリンを離れ、マレーシアへと拠点を移しました。ベルリンのアート・シーンの変化、押し寄せた資本主義の波、コロナ禍や22年に開催されたドクメンタ15における反ユダヤ主義騒動などを経て、わたしがヨーロッパで強く感じはじめた疑念と不安、そこで書き続けることの白々しさ。一念発起して飛び出した先には、思いもよらない豊かな出会いが待っていました。

多民族社会と言われるマレーシアで、人はどのように生活をして、学び、働き、アートを介したどのようなコミュニケーションが存在するのか?

マレー人、華人、インド人、先住民であるオラン・アスリ、ミャンマーから逃れてきたロヒンギャの難民の方々との、短い期間でのさまざまな出会い、そこにあるアーティストやコレクティブ、異なるコミュニティーを自由に渡り歩きながら労働する人たちによる大いなる営み。

今やっと、再びアートの持つ魅力に触れ、自分こそが抱えていた西洋中心主義的なるものから解き放たれて、この時代の芸術と向き合う支度を整えつつあります。しかしもちろん、マレーシアでも多くの課題が見られます。

わたしがマレーシアで出会ったアーティストやコレクティブ、訪れたアートスペースやアートフェスティバル、オラン・アスリの村での体験などをお話ししながら、いわゆるコンテンポラリー・アートを取り巻く状況を通して、異なる民族や文化、伝統、宗教などをどのように認識し、理解を深めていくことができるのか、鳥取の皆さんと考えてみたいと思います。

 

出演者プロフィール

Portrait_mikikanai
金井美樹 Miki Kanai
アート・ジャーナリスト。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ美術史修士課程修了。およそ20年にわたりベルリンを拠点に欧州20カ国からアートの現場をレポート。『美術手帖』や『芸術新潮』などの日本のアート雑誌を中心に、書籍やウェブサイト、展覧会のカタログでの執筆や編集をはじめ、展覧会のコーディネートなどを通して、ヨーロッパのアーティストの活動やアートシーンを日本へ紹介してきた。2023年よりマレーシアを拠点に活動。国際美術評論家連盟ドイツ支部会員。

Albumアルバム

Relation Blog関連ブログ

関連ブログはまだありません。