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すみおれ図書委員の「がっきー」です。
先日すみおれ図書室では「すみおれ課題図書シリーズ #02|カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』」を行いました!
長崎県出身の日系イギリス人のノーベル文学賞受賞作家、カズオ・イシグロ氏の著作『遠い山なみの光』を読んで話し合おうというイベントです。おやつに「ろーまんぱん」なる未知のお菓子、そして旧横田医院の庭で摘んだミントのハーブティーを用意して、和やかにイベントが開始しました。
『遠い山なみの光』の感想を伝え合うことから始まり、登場人物の背景、思想や立場の違い、それぞれが感じた違和感や解釈を話しました。同じ本について話し合うときにはよくあることかもしれませんが、自分と同じ所でだれかが同じような読み方をしていたり、自分では思わなかった他の視点からの意見を聞いたりすることが本当に楽しい!
年齢、職業もバラバラな参加者には、カズオ・イシグロ氏について詳しい方もおられて、作品の解説や作者と作品の関係を聞くこともできました。会話が進むにつれて、自分の中で大まかに捉えていた『遠い山なみの光』の世界感がより細かくなるようでした。話題は自然と、登場人物の言動に現れた人間の心理について触れます。
「『今』を正当化するために、過去に理由付けをする」
「人間らしいですよね」
「過去をやり直せないから」
「正当化したいんですよ。限られた寿命の中で、気持ちを変えられない。コロッと変わる人もいるけれど」
一冊の本の話題から各人の、もしかしたらそれまでの人生を含めた人間論が聞けるなんて最高じゃないですか!? 参加してよかったです!