こんにちは、小田部です。今日は主に滞在制作の進捗とホスピテイルプロジェクトで行われている「すみおれ図書室」について書きたいと思います。

今日の旧横田医院では、展覧会に向けて必要な素材や機器の確認が行われました。今回の作品には様々な素材、メディアが使用されます。映像の展示が多いのですが、それだけでなくスモークや砂なども用いて展示やパフォーマンスが行われる予定です。そのため、一度ホスピテイルのメンバーやキュレーターの中西さん、ピル&ガリア・コレクティヴと共にサウンドやオブジェの位置、空間の使い方などの確認を行いました。

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また、パフォーマンスで用いるオブジェ(下の写真)や展示装置を制作してくれた工作社の本間さんも来てくださり、スクリーンや音響の設置を手伝ってくださいました。このオブジェは、1950年代に活動していた日本の前衛美術集団「実験工房」の舞台装置と、ロシア構成主義のプロパガンダ・キオスクのアイデアにインスピレーションを受けたもので、ピル&ガリア・コレクティヴも希望通りだと喜んでいました。本番でどのように用いられるのか、とても楽しみです。

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また、今日は部屋に暗幕を張ったり、ブラウン管テレビで映像が流れるかの確認を行ったりしました。窓から光が差し込む旧横田医院も素敵なのですが、暗幕をつけると大きく異なる雰囲気に。映像が見やすくなるのはもちろん、今回のパフォーマンスのタイトル《亡霊パヴィリオンのみやげ》にぴったりな空間になりました。今回映像のために使用されるスクリーンの大きさや種類は様々なのですが、個人的にとても気に入っているのがブラウン管テレビです。戦後日本で新三種の神器の一つとして扱われていた白黒テレビはその後大きな進化を遂げ、ブラウン管テレビを日常生活で目にすることはほとんどなくなりました。そんなブラウン管テレビがどのようにピル&ガリア・コレクティヴの作品を映し出すのか非常に楽しみです。ピル&ガリア・コレクティヴも、日本独特の可愛らしいフォルムのブラウン管テレビを使用できるのを楽しみにしているようです。

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また、今日はホスピテイルのプロジェクトのひとつ、“読まなくなったけど捨てられない本”を集めて公開する「すみおれ図書室」のお手伝いも行いました。これは、地域の記憶と歴史にまつわるプロジェクト「すみおれアーカイヴス」の一環で行われています。「すみおれ図書室」は旧横田医院の2階にあり、今日は貸し出しカードのカットを行いました。私自身、大学や市立図書館に行くことが多いのですが、このような貸し出しカードはもう長いこと使っていません。基本的にバーコードや電子チップを読み取るタイプのカードを使用しています。だからこそ、この紙の貸し出しカードがとても懐かしくなりました。たまに本の後ろにあるもう使用されていない貸し出しカードを見つけることがあるのですが、それを眺めながらどのような人たちの手を渡ってきたのか考えるととても不思議な気持ちになります。「すみおれ図書室」に来ると、そんな本と貸し出しカードに出会うことができます。

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「すみおれ図書室」では、本当に様々な本に出会うことができます。そこには、地域の人々の想いや歴史などが詰まっているように感じます。ちなみに、本棚などは全て旧横田医院のベッドなどの廃材からできているんですよ。今回、ピル&ガリア・コレクティブは2歳になるお子さんと滞在制作を行っているのですが、その息子さんも「すみおれ図書室」がとてもお気に入りなようです。近いうちに、「すみおれ図書室」で私が気になる本を紹介するブログも書きたいと思っています。思い出がある、捨てられない、誰かに読んでほしい、そんな本がある方は是非ホスピテイルまでお持ち下さい。そして、是非「すみおれ図書室」を訪れてみてください。

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(小田部恵流川)