- 2016.03.31(木) 〜 2016.05.15(日) 13:00-18:00
※火、水、木は休館、祝日は開館します。
※火、水、木は休館、祝日は開館します。
「戦後70年」という節目の年を迎えた2015年は、折に触れ、この年月に起こった出来事や状況の変化を振り返る機会の多かった一年であったように思います。不安定な世界情勢のなかで、過去を鑑み現状を分析し未来を考えることは、暗がりを手探りで進むようにその困難さに途方にくれることも少なくありません。けれども、小さくとも個々が手に灯りを持ち、周りを照らしていくことで、浮かびあがる新たな地図を手にするかもしれません。
地図を読み解き、未来への航路を描くことの試みとして実施しました今年度のレジデンス・プログラムでは、現代社会に対する批評的視点から歴史を再検証しつつも大らかでユーモラスな作品を制作してきた竹川宣彰を招聘し、約3週間にわたる滞在制作を実施しました。制作にあたり、戦後の経済優先の発展主義的思想のアレゴリーとして「宇宙」というテーマを設定した竹川は、円形の旧横田医院を宇宙ステーションに見立て、過去の戦争や現代の歴史認識の迷走を、パラレルワールド(満州国宇宙ステーション)から眺めてみることを試みました。
展覧会「宇宙船のバックミラー」では、鳥取の街中を探索して見つけた「惑星」たち−−高度経済成長社会が見た夢の痕跡とその中でサヴァイヴしている小さな灯火—を紹介することで、進歩主義の象徴のような宇宙開発に民主主義や平和への人類の新たな挑戦をオーバーラップさせながら、現代を生きる我々が置かれた状況を浮かび上がらせます。
本展が過去の戦争と未来の戦争(の危機)の間にある私たちを見つめなおし、未来への指針を見つける機会となれば幸いです。
オープニングレセプション|2016/03/31(木)18:00-20:00
アーティストによるギャラリートーク|2016/03/31(木)19:00-20:00