スクール・イン・プログレス2019、鳥取でのこの一風変わったアート・スクールは早くも3回目の開催となった。講師陣のその時々の興味と、参加者の興味を踏まえ、内容は毎回変化していく。今回僕は2012年に鳥取で行われた「国際まんが博」についてのリサーチを中心に考えていた。2020年に開催予定であった東京オリンピックとは比べものにならないほど小さなイベントではあるが、その両者にどのような共通点または違いがあるかを探ることで、今私たちが暮らす日本の現状を理解する助けになるかと考えたからである。図書館に出かけて見つけた当時のチラシや新聞などを探り、運営に関わった代理店についても参加者はリサーチ部隊として掘り下げていった、その中でも期間限定のアイドル・グループについてもその成り立ちから最後まで詳しく知ることができた。こうした活動は一見地味だし、モチベーションを維持することも当初は難しかったようである。しかし、活動が進んでいく中でリサーチ・ハイとも呼べる状態になってしまった参加者が何人かいたようだった。ハイになるのはちっとも悪くないのだけれど、ハイになった人から溢れ出してくる情報は、僕たちが今を、そして未来を楽しく考える上での極上の教材となる。それに触れながら、2021に開催予定という2020東京オリンピックを、そして2025年に開催されるという大阪万博を、本当にやるのかどうかも含めて、セーので立ち止まって一度考えてみるのも悪くないかもしれない。
