こんにちは、田中です。今日の鳥取は曇りの予報でしたが青空が広がり心地よい天気でした。鮮やかに私たちを歓迎していた紫陽花も次第に落ち着いた色に変化し始めており、夏の訪れを感じます。

今朝は先日行われたピル&ガリアのアーティストトークイベントのアンケート集計や、展覧会で配布する館内マップの作成を行いました。アンケート結果からは、20~30代の若めの層が多く来場されていることや多くの方がこの展覧会を楽しみにしていることがわかりました。マップの作成にはイラストレーターを使い、初めてホスピテイルに来る方にも見やすくわかりやすいようにレイアウトを工夫しました。こちらについては当日の受付で配布しますが、マップだけでなく各作品の詳細が掲載されておりますのでお楽しみに!

レジデンススペースのことめやで作業をしていた時に大家さんである岩原さんが息抜きにとお茶を入れてくださり、ことめやの歴史について教えていただきました。明治時代、ことめや周辺は聚楽園という歓楽街であったこと、ことめやは「開春」という名前の遊郭で、お抱えの遊女はおらず、近所の集会場から雇うという形を取っていたことを知りました。そして当時の写真もたくさん見せてくださいました。遊郭に関して学校で知り得る情報にはやはり限りがありますし、ここまでたくさんの資料を見たのは初めてでした。中でも遊女の方々の集合写真で誰一人として微笑んでおらず、彼女らの表情を見ていると痛みがひしひしと伝わります。3blog1

お昼を食べた後はこれまで毎日発送準備を進めていた、ピル&ガリアの展覧会(7/19-8/6)や同じくホスピテイルで開催されるオルタナティブなアートスクールSchool in Progress(8/9-18)のリーフレットを発送しに郵便局へ向かいました。3blog2100セット以上発送するため、このようにキャリーケースにしまって郵便局に持って行きました。インターン初日から続けていた発送の準備が終わり、ホッとしました。

その後、ホスピテイルで作業しているピルとガリアの元へ。今週土曜日のパフォーマンスにスモークのような演出がほしいということで、DIYでスモークを作れないか調べたところドライアイスに継続的にお湯を入れるとスモークのように煙が広がるということがわかり、早速試すことに。準備するものは、沸騰したお湯とドライアイス(500gで十分)とボウルまたは箱。はじめに、ドライアイスを細かく砕いてお湯を注いで見ますがあまり煙が出ません。今度は塊ごと入れてみます。そうすると…3blog4煙が広がっていきました!いよいよ明日17日にはパフォーマーの篠田さんも到着し、リハーサルがはじまりますし、本番へ向けて準備が急ピッチで進んでいます。

夜は、鳥取市文化政策に関するミーティングに地元の方々に混じり参加しました。ホスピテイル ・プロジェクトの代表であり、創造都市論の研究者である鳥取大学の野田教授による移住者数や地価の変化といった鳥取市にまつわる様々なデータについての解説や、神奈川県の藤野町や徳島県の美波町を例に挙げてどのようにまちおこしをしているのかについてのプレゼンテーションの後、鳥取では何が出来るのか今後どう進めていくか話し合うという内容でした。会議には幅広い年代の方々、そしてさまざまな職業の方々が集まっており、意見も各々異なりますが、共通していたのは「鳥取が好きで、現状を変えたい」と考えていることです。普通の自治体の集会ではなく、文化政策やまちおこしのために20人以上の人が会議に参加するというのは私の暮らしている地域では起こり得ないことですし、地元の皆さんのクリエイティブな姿勢にとても刺激を受けました。その会議やアフターのご飯会を通してまた新たな出会いもあり、参加して本当に良かったです。

帰り道、袋川に架かる橋のベンチで満月を見ながらゆったり過ごされている方を何人か見かけました。3blog5振り返ってみると、最近は時間に追われることが多く、外で時間を忘れてゆったり静かな時間を過ごすということをできていませんし、そもそも東京近郊には静かな環境がありません。沈黙と月明かりの中で心を静めることのできる環境がたくさんある鳥取は素敵な場所であると改めて感じました。

(田中)