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第一回目のパブリップログラムでは、社会学者である渡邊太氏をお招きし、「表現としての選挙」をテーマに公開トークを行いました。
はじめに渡邊さんより「民主主議とは、自分達のことは自分達で決めることである。それは只の多数決ではなく、少数派も平等に意見として扱われる」という導入があり、その後、選挙に於いて「泡沫候補」と言われる少数派の伝説の政見放送の動画を上映・紹介していただきました。

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今回観た伝説の政見放送は、一見すると政治とは掛け離れて面白い・モラルに反したように思われる表現が散見されました。しかし、こういった表現を渡邊さんは「決まったルール(公職選挙法)の中での別の戦い」であり、「洗練され尽くしていない表現こそ愛すべきものである」と述べていらっしゃったのが印象的でした。選挙という一見縛られて堅苦しいものの中で市民の意見をどう表明するか、そのような闘いの一端であるように感じました。

今回のトークの中では、政見放送の話だけでなく、芸術と政治は分別されるべきであるかどうかという事や、日本の選挙における有権者の消極的選択、宗教の信仰心についてなど、さまざまな話題が上がり、参加者からも質問や意見感想など多くの発言がありました。ここから選挙への興味関心やそれに対する問題意識が伺われました。

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また特に、渡邊さんは「無力感」という言葉を多く使われていたように思いました。それに対し山下さんは、マレーシアではデモを楽しんだり選挙をフェスティバルのように考えたりしているのではないかという比較をされていました。
今回のトークを通じて、選挙を堅いものとして考えるのではなく、もっと人々にとって身近なものとする工夫や態度がまずは必要なことではないかと思いました。(門脇瑞葉)