Program02|Practice
身体についてのプラクティス01|古武術してみる。
特別講師:光圓流師範 能見一範 会場:鳥取市武道館
Day02の午前中のプログラムは「古武術」。柔道や剣道は学校で体験している人も多いだろうが、「古武術」となると経験者は稀。当然、今回の参加者も全員が初体験となる。ディレクターの二人も、今回の準備のための体験入門が初めての古武術体験らしい。なぜ「古武術」なのか?昨夜のレクチャーとなんらかのつながりがあるのだろう。やってみれば何かわかるかもしれない。そんな気持ちで武道館へ向かう。
講師の能見さんは、鳥取にUターンをして独自に古武術を実践・研究し、一般向けの教室も開いている。今回は、その一般向け教室の体験入門という位置づけのようだ。基本的な姿勢や動きを習ったあと、簡単な突き・蹴りなど、見よう見まねで繰り出してみる。なるほど、師範の動きは鋭く、「シュッ、シュッ」という胴着のすれる音や吐く息が心地よく道場に響く。説明によると、どうやら体の中心・体幹への意識が重要であるらしい。そういわれて試行錯誤するうち、少しずつ自分の動きにも切れが出てきている気がする。
終盤には、いくつかの動きを組み合わせた「型」も体験。これも始めはぎこちない動きだが、それでも、何度も繰り返すうち、少しずつ、おぼろげながら自然な動き・流れが見えてくる(そんな気がした)。
能見さんは、どのように意識するとどう体が動くのか、丁寧にそれぞれの動きの意味を解説してくださった。その語りからは、身体に対する感覚を研ぎ澄ませていることが伺え、身体的な運動にとどまらず、哲学的であるとさえ感じた。精神性の重視は、武道一般に言えることだが、古武術では「そもそも」を探求する志向がより強いのかもしれない。そんなことを考えながら、武道場を後にする。

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Program 01|Lecture & Workshop
リサーチ/レクチャーの時間
特別講師:白川昌生 会場:ことめや ほか
昼食をはさんで午前中の疲れを癒し、午後は、前回に引き続き本スクールのために群馬から駆けつけてくださったヴィジュアル・アーティストの白川昌生さんによるワークショップの時間となった。
この時間の白川さんの提案は、各人が心に残っている子どもの頃の情景を再現して映像または写真にしてみよう、というもの。スタッフも含め、数人ずつのグループに分かれ、まずはそれぞれが自分の過去を振返り、情景を思い描く。そして、それを互いに披露しあい、それをどのように再現するかを話し合う。ことめやのほか、もう一つの拠点である旧横田医院、近くの公園など、徒歩で移動できる範囲で撮影場所を見つけ、段ボールや新聞紙などで小道具を製作し、スマートフォンのカメラ機能で撮影を行う。技術的に難しいことはせずに、それぞれのイメージを再現し、記録する。
すべての「作品」をことめやで上映し、全員で「鑑賞」する。思わず笑ってしまう失敗エピソードや、命の危機を感じたという体験、子どものころに夢中になっていたこと、ちょっと変わった友人の思い出など、様々な情景が映し出された。
白川さんからは、「おもしろいよね」というコメントほかには、特に「だから___」という説明やまとめ、解説はなかった。ただ、ワークショップを始める際には、初期に同様の発想による作品を発表している芸術家がいる、といった紹介があり、そこに着想を得たワークショップであるということは示唆された。人の心に残っていること、心が動いたことなどにフォーカスすることが、アートの原点のひとつということだろうか。少なくとも、自分の幼い頃の思い出を反芻したことで郷愁を感じたし、他者のそれに触れた時の、分かるような、分からないような感覚は独特のものがあったように感じる。

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Night Program |Talk & Discussion
Art Bar 01 「宗教と総合芸術」
特別講師:白川昌生 会場:トウフビル3階
午後のワークショップのあとは、「砂丘屋」さんの創作料理で鳥取のおいしいものを堪能。そして、夜は再び白川さんが講師となり、今度は「宗教と総合芸術」に関する非常に奥の深いレクチャーが展開された。
白川さんが取り上げるのは、一部で熱心な支持者がいる一方、一般にはあやしいものとして忌避されがちな新興宗教に類するものだった。西欧における代表事例として、シュタイナーの思想と彼が残した芸術的な建築等を紹介したあと、日本の事例における類例の検討に入っていく。今回中心的に取り上げられたのは「大本(教)」。開祖である出口なおの神がかりの能力の話に始まり、戦前・戦中には政府が教団を弾圧をする一方で神がかりの力にすがろうとした形跡があること、その思想・世界観は実は多くの人々に影響を与えており、現代社会の政治や経済にも影響を与えている(と見られる)ことなどが語られた。
このレクチャーには、この日の午前中の講師である能見さんも参加されていた。古武術を通して能見さんが日頃考えていることと、白川さんの紹介する宗教の話がつながり、議論は大いに盛り上がり、深夜にまで及んだ。

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