こんにちは、田中です。昨日は3日ぶりの雨でした。

ホスピテイルの拠点施設である旧横田医院は、天気によってさまざまな表情を見せてくれます。晴れている日も素敵なのですが、雨に濡れた姿は一層趣深く、今回のピル&ガリア・コレクティヴのパフォーマンスのテーマ「Ghost(亡霊)」にもぴったりです。

さて、本日13:00からいよいよ始まるピル&ガリア・コレクティヴの展覧会「(不)可視のプロパガンダ」(7/19から8/6まで開催)のため、昨日は朝から準備を急ピッチで進め最終調整を行っていきました。

まず、三階の一室をピルとガリアの映像作品の展示の部屋に使うことになったため、清掃を行いました。4blog1こちらの部屋にはベッドに加えて、付き添い人が宿泊するための畳のスペースもあり、病院として利用されていた頃の様子が想像できます。鑑賞される方々には上の写真の左側の木の部分に座って見ていただくことになる予定です。

 

4blog4こちらの写真はプロジェクターを用いて彼らの映像作品を流す部屋に外光が差し込まないよう暗幕を貼っているところです。意外に重さがある暗幕を持ち上げて固定する作業は想定以上に力を要しました。今回の展覧会では三階の二部屋でプロジェクターを使った展示が行われます。

 

また、昨日は主にケーブルをテープで固定する作業の仕上げを行いました。4blog2写真が見えにくくて申し訳ないのですが、このように館内に張り巡らされたケーブルをお客様の邪魔にならないように壁にテープで固定します。一見簡単そうですが、真っ直ぐ綺麗に貼るのは非常に難しく、私も終始苦戦していました。可能な限り壁側に寄せて貼り付けて踏まないようにしていますが、部屋の入り口等一部そうでない部分もございますので足下にお気をつけてご鑑賞いただければと思います。

また、本日19日の18:30から「亡霊パヴィリオンのみやげ」というタイトルでライブ・パフォーマンスをしてくださる篠田栞さんも一昨日鳥取に到着し、昨日は午前からホスピテイルの中で実際の空気を感じながら稽古に励まれていました。

お昼を食べた後は、報道用にパンフレットを渡しに県庁へ。少々緊張しましたが無事に渡すことが出来ました。この時にコミュニティバス「くる梨」に乗って向かったのですが、どこで降りても100円という良心的な価格で停車する箇所も多く、大変使いやすいと感じます。地元のお年寄りの方々も多く乗車されており、「住民の生活に寄り添ったまちづくり」が実現されているように思いました。

その後、ホスピテイルでリハーサルを行っているピルとガリアの元へ。彼らはパフォーマーの篠田さん、キュレーターの中西さんとパフォーマンスのシーンごとの確認をされていました。4blog3上の写真の赤い光は赤いセロファンをライトに貼って演出しています。実際はもう少し赤の光を強く感じますが、その中に浮かび上がるピルとガリアの作品に、篠田さんの能の舞が重なり合い、普通の部屋がスピリチュアルな雰囲気を持った空間にガラリと変わりました。少しだけリハーサルを見せていただいたのですが、自分が過去にいるのか現在にいるのかわからなくなるような不思議な感覚を味わいました。今回はパフォーマンス直前と言うこともあるため、写真の一部のみ掲載させていただきます。本日18:30からのオープニング・イベントにご来場予定の方はお楽しみに!

最後にサウンドチェックの再確認や館内の片付け、鑑賞用の椅子等のセッティングを済ませ、作業を終えました。

作業の後はプロジェクトメンバーでご飯を食べに行きました。オフィスワーカーとパフォーマーの二つの顔を持つ篠田さんに、能について色々お話を伺いました。まず、能というのは奈良時代から存在している芸能であり、「俳優の能力」という意味からこの名前がつけられているそう。また歌については、音程がもともと決まっているわけではなく、「音の幅のなかでの位置」が定められているそうです。和楽器単体の音は不協和音ともとれる不穏な雰囲気の音がするのに複数の楽器で合わせるとしっかりハマって聴こえるのは音の幅が揃っているからであると教わりました。さらに、声の出し方には強弱だけでなく「陰陽」の変化を出す必要があるそうです。私自身日本の伝統芸能に関する授業を履修していた経験があり、能に非常に興味があったので色々お話が聞けて良かったです。

さて、いよいよ今日からピル&ガリア・コレクティヴの展覧会が始まります。亡霊たちが歓迎しているのか、雨脚も強まってまいりました。どうぞお足元にお気をつけてお越しください。お待ちしております!

pgk

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【ピル&ガリア・コレクティヴ《(不)可視のプロパガンダ】2019/07/19~08/06 13:00~18:00 (休館日:水・木)

1.ライブ・パフォーマンス「亡霊パヴィリオンのみやげ」07/19 18:30(制作:ピル&ガリア・コレクティヴ、パフォーマンス:篠田栞)

本展のためにピルとガリアが滞在制作されたパフォーマンスをホスピテイルの内部空間を背景にライブ上演します。日本の能楽の構造を参考にし、さらに1950年のアート集団「実験工房」からインスピレーションを得た本作は、日本のモダニズムにおけるある瞬間を亡霊の記憶として蘇らせます。

2.アフター・トーク 07/19 19:30

ライブ・パフォーマンスの後、本作品制作のためのリサーチ過程やこれまでの彼らの活動との関連についてピルとガリア本人がが語ります。

(全て入場無料です。)

(田中 咲衣)